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横浜vs下妻二 2011/11/1 高校野球ドットコム ttp://www.hb-nippon.com/
2011年秋の大会 第64回秋季関東地区高等学校野球大会 1回戦
点と線
両チーム同じ11安打。だが結果は8回コールドの8対1と大差になった。
同じだけヒットを放ちながら、なぜこの結果になったのか。攻撃が線になった横浜と、点にしかならなかった下妻二にその違いが見える。序盤からゲームを支配していたのは、下妻二。エースの諏訪洸(2年)は、3回までパーフェクトピッチングと最高の立ち上がり。攻撃では横浜のエース・柳 裕也(2年)を毎回のように攻め立て、得点圏にも走者を出した。1点を取るのは時間の問題と見られていた。しかし、その1点が中々入らない。
2回には1死1、3塁から9番の粟野拓也(2年)が3バントスクイズを試みるも、横浜バッテリーに見透かされ、三振併殺と最悪な形に終わった。序盤からスクイズという、とっておきの策を使うなどあと1本が出ないというより、攻撃を急いでしまった形の下妻第二。「打たれる方が嫌だったので、あそこでスクイズだったのは助かった」と横浜・渡辺元智監督は相手の急いだ攻撃を見つめていた。
2011年秋の大会 第64回秋季関東地区高等学校野球大会 1回戦
点と線
両チーム同じ11安打。だが結果は8回コールドの8対1と大差になった。
同じだけヒットを放ちながら、なぜこの結果になったのか。攻撃が線になった横浜と、点にしかならなかった下妻二にその違いが見える。序盤からゲームを支配していたのは、下妻二。エースの諏訪洸(2年)は、3回までパーフェクトピッチングと最高の立ち上がり。攻撃では横浜のエース・柳 裕也(2年)を毎回のように攻め立て、得点圏にも走者を出した。1点を取るのは時間の問題と見られていた。しかし、その1点が中々入らない。
2回には1死1、3塁から9番の粟野拓也(2年)が3バントスクイズを試みるも、横浜バッテリーに見透かされ、三振併殺と最悪な形に終わった。序盤からスクイズという、とっておきの策を使うなどあと1本が出ないというより、攻撃を急いでしまった形の下妻第二。「打たれる方が嫌だったので、あそこでスクイズだったのは助かった」と横浜・渡辺元智監督は相手の急いだ攻撃を見つめていた。
4回、好投していた諏訪が一つのエラーをきっかけにつかまる。4番山内 達也、5番田原 啓吾(ともに2年)の連続タイムリー二塁打で3失点。さらに6番の青木力斗(2年)が三塁前にバントヒットを決めるなど、下妻二守備陣は撹乱されていった。
打順が一巡して、「諏訪投手はデータ通り、直球かスライダーだったのでどちらかに絞っていけ」という指示を出していた渡辺監督。横浜伝統の一気に畳みかめる攻め。4連打が示す通り、攻撃が完全に〝線〝になった。
下妻第二 荻野純平
5回表、下妻二は1死から1番荻野純平(2年)がライトスタンドへ一発を放ち1点を返した。さらに2番染谷雄士(2年)と3番諏訪が連打で出ると、4番藤本翼(2年)は相手の失策を誘って満塁に。一気に同点、逆転まで狙える形を作った。
しかし5番の新山直樹(2年)がショートゴロ併殺に終わりチャンスはあっという間に逸する。得点は本塁打による1点だけと、ここでも攻撃は〝点〝にしかならなかった。
7回、横浜は内野ゴロの間に1点を加えると、3番樋口 龍之介(2年)が試合を決定づける2ラン。8回にも1点を加え7点差とすると、最後は1番宍倉和磨(2年)の三塁ゴロが、野手の手前でイレギュラーして外野に抜け、走者が生還しコールドゲームになった。
最後の打球がイレギュラーするという不運が、攻撃で急いでしまったこの日の下妻二を象徴しているようでもあった。
横浜の柳に対し、三者凡退は1回もなし。これだけ攻め立てながらわずかに1点。横浜の本塁を許さなかった守りは讃えられるが、下妻二としては、いかに攻撃しきるのが難しいかをこの試合で味わったであろう。渡辺監督の「勝てたのが不思議なくらい」という言葉がこのゲームの全てであった。
(文=松倉 雄太)
打順が一巡して、「諏訪投手はデータ通り、直球かスライダーだったのでどちらかに絞っていけ」という指示を出していた渡辺監督。横浜伝統の一気に畳みかめる攻め。4連打が示す通り、攻撃が完全に〝線〝になった。
下妻第二 荻野純平
5回表、下妻二は1死から1番荻野純平(2年)がライトスタンドへ一発を放ち1点を返した。さらに2番染谷雄士(2年)と3番諏訪が連打で出ると、4番藤本翼(2年)は相手の失策を誘って満塁に。一気に同点、逆転まで狙える形を作った。
しかし5番の新山直樹(2年)がショートゴロ併殺に終わりチャンスはあっという間に逸する。得点は本塁打による1点だけと、ここでも攻撃は〝点〝にしかならなかった。
7回、横浜は内野ゴロの間に1点を加えると、3番樋口 龍之介(2年)が試合を決定づける2ラン。8回にも1点を加え7点差とすると、最後は1番宍倉和磨(2年)の三塁ゴロが、野手の手前でイレギュラーして外野に抜け、走者が生還しコールドゲームになった。
最後の打球がイレギュラーするという不運が、攻撃で急いでしまったこの日の下妻二を象徴しているようでもあった。
横浜の柳に対し、三者凡退は1回もなし。これだけ攻め立てながらわずかに1点。横浜の本塁を許さなかった守りは讃えられるが、下妻二としては、いかに攻撃しきるのが難しいかをこの試合で味わったであろう。渡辺監督の「勝てたのが不思議なくらい」という言葉がこのゲームの全てであった。
(文=松倉 雄太)
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