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◇渡辺元智さん67(横浜監督)



 黒沢明監督の映画「影武者」が大ヒットした1980年夏。横浜(神奈川)の「影武者サウスポー」が、決勝で主役にのし上がった。

 3年の控え投手、川戸は、1年時から注目されていた同じ左腕のエース愛甲の陰に隠れる存在だった。それでも、「いつかは俺が」と念じ続け、人の何倍も走り、投げ、泥にまみれていた。




 そんな背番号「10」に、指揮官はチームの命運を託す。1点リードの六回。5回4失点の愛甲が、肩の不調を訴えた。「頼むぞ、川戸」。大舞台に上がった影武者は、見事な快投を演じる。4回無失点と早実(東東京)の反撃を封じ、深紅の優勝旗をもたらした。

 「努力はみんなする。その中でどれだけ死に物狂いでやれるか。そんな選手はレギュラーになれなくても、ユニホームを着れなくても、決して落後者にはならない」。川戸の姿から、自身が学んだ。中心選手だけでなく、部員一人一人に目を配ることの大切さに、改めて気づかされた。

 44年間の監督生活で、ずっと説き続けている言葉がある。「人生の勝利者たれ」。坊主頭の選手たちが、自立した一人前の男に成長する日を楽しみに、愛情のすべてを注ぐ。(山脇幸二)
(終わり)

(2012年8月24日 読売新聞)http://www.yomiuri.co.jp/sports/hsb/2012/feature/20120824-OYT8T00362.htm
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川崎市立高津高校定時制4年生で、83歳の上中別府かみなかべっぷチエさん(川崎市宮前区有馬)が、23日に相模原市で行われる高校定時制通信制軟式野球神奈川県大会の決勝戦にベンチ入りする。

 12番の背番号を付けて伝令で登場する予定で「全力で支える」と意気込む。好きな言葉は生涯現役。「家で縮こまっていてもしょうがない。何でも挑戦してみたい」と元気いっぱいだ。

 鹿児島県曽於そお市生まれで、地元の尋常高等小学校を卒業した。2人の子供を授かり、孫は5人、ひ孫が4人いる。小学校時代は、空襲に備えたバケツリレーの練習やなぎなたの訓練、農作業などで満足に勉強する時間がなかったという上中別府さん。76歳の時、英語を勉強したくなった。宮前区役所に相談したところ、川崎市立西中原中学校の夜間学級を勧められ、3年間通った。

 もっと勉強したいと、2010年4月に高校へ入学。学校で習ったことは必ず復習する。「若い人のようにすぐ理解するのは大変。できたっていう実感がほしいから復習するのよ」と語る。

 担任の中島克己教諭(45)が顧問を務める軟式野球部に手作りのパンや菓子などを時々、差し入れていた。昨年秋、中島教諭が同部に“スカウト”。部員からは「チエさん」と呼ばれムードメーカー的な存在で慕われている。部活は午後9時から1時間弱。球拾いなどを手伝うが、部員からもらったグラブをはめてキャッチボールをしたりノックを受けたりすることもある。

 野球部は週に3回参加し、帰宅は午後11時頃だ。授業の復習をするため就寝は午前0時を過ぎることもしばしばだが、午前8時前後には起床する。野球部のほか書道部と華道部にも在籍する充実ぶりで「毎日が楽しくて仕方がない」という。

 公式戦初出場は5月19日。四回までに11―1と大量リードしていたため、中島教諭のはからいで五回、左翼の守備についた。ボールは飛んでこなかったが、「ドキドキして寿命が3歳縮まった」と楽しそうに話す。

(2013年6月22日13時30分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20130622-OYT1T00519.htm
http://www.asahi.com/koshien/95/localnews/TKY201306250255.html
〈夏への軌跡:1〉茨城 最後の歴史、9人で

 午前5時45分、東京都多摩市にある京王多摩センター駅。総和高校2年の小島泰雪は、エナメルバッグを足元に置き、スマートフォンをいじりながら電車を待っていた。まだホームにいる人は少ない。

 約90キロ離れた古河市の総和高校まで、片道2時間半かけて通う。京王線、埼京線、宇都宮線と乗り継ぎ、学校に着くのは8時過ぎ。帰りは、練習で疲れた体で新宿駅から満員の車両に押し込まれる。自宅の玄関ドアを開けるのは午後10時を回る。定期代はひと月約2万円にもなる。

 「正直、体はきついです。でも、自分で決めたことだから」

 昨年12月、家庭の事情で古河市から多摩市へ引っ越さなければならなくなった。母の美智代(50)から告げられ、小島は「絶対無理」と拳でクローゼットの扉をたたいた。中学3年の時に父が亡くなり、母が一人で生活を支えていることはわかっていた。だが、転校はどうしても受け入れることができなかった。

 総和高校は古河中等教育学校に改編され、今春の入試から新入生の募集がなくなった。いまの2年生が卒業すれば、校名は消える。野球部はこの夏で廃部することが決まっている。

 昨秋に発足した新チームは、部員が9人。夏の大会に出場して、「最後の歴史を飾ろう」と誓い合った。そのためには1人も欠けることはできなかった。

 小島の学級担任で野球部監督の金井光信は「自分の家に下宿させてもいい。残してもらえないでしょうか」と、美智代に頭を下げた。小島は引っ越してもいいから、総和に通わせてほしいと頼んだ。2人の真剣な思いに押され、美智代は遠距離通学を許した。

 年が明け、グラウンドのベンチ前に部員全員が集められた。「小島から話がある」。金井が切り出した。この間、小島は自分の置かれた状況を部員たちに伝えていなかった。「迷惑をかけたくない」という思いからだった。ただ部員たちは、職員室などで金井と話す小島の姿を見て、「野球部をやめるのではないか」と心配していた。

 「俺、東京から通うことにしたから。わがままを言うことも多くなると思うけど、許してほしい」

 小島の言葉に部員たちはうなずいた。主将の木下左京は「これで最後までやっていけると思えた。あいつの気持ちがうれしかった」と語る。

 9人での練習には限界がある。実戦形式では、マウンドに置いた投球マシンを女子マネジャーが操作し、監督も守りに加わる。それでも、走者が出た分だけ守備側が減ってしまう。飛び散ったボールは、全員で何度も集める。

 「9人しかいないから、各自が責任感を持つようになった」。金井は部員たちの成長を実感する。

 練習試合のある土日。小島は前日から同学年の部員の家に泊めてもらっている。

 「ずっと一緒にいたいと思える仲間たち。絆ではどこにも負けない」

 一日でも長くユニホームを着る――。その願いを胸に、小島は3番二塁手で出場する。(敬称略)

(この連載は照屋健が担当します)
つい最近「ミラー細胞」

というものが見つかり、

脳医学で注目されている。

どんな細胞かというと、

そばにいる人と同じ表情をしたり、

相手の感情をそのまま反射したりする。

つまり、

相手の気持ちを鏡のように反映する細胞。

ということは、

相手に思いやりの気持ちを向けると、

相手もこちらの気持ちに

シンクロ(同調)するということになります。

相手が「ありがとう」と言ってくれたら

自分も「こちらこそありがとう」という気持ちがわいて来る。

そうさせるのがミラー細胞。



このニュースを聞いて著者は

2007年夏の全国高校野球大会で

優勝した佐賀北高校のことを思い出したとのこと。

佐賀北高校は勉強に熱心な県立高校で、

チームも全国から野球エリートを

かき集めて作ったわけではありません。

その佐賀北高校、

試合中に相手チームを褒めるのです。

例えば、

相手チームがカーンとヒットを打ったとします。

すると、佐賀北の一塁手は、

塁に立った相手走者に言うんです。

「ナイスバッティング」

二塁を打った相手には、二塁手が

「素晴らしいですね」

と褒めます。

一方、打撃に入って三振をとられると、

相手のピッチャーに

「ナイスピッチング」

と声を掛けます。

普通は、こんな事は絶対にないでしょう。

佐賀は結局一度も負けず、

優勝しましたが、

佐賀と対戦して敗れたチームは

みんな佐賀北のファンになってしまう。

そして、勝つたびに佐賀北は

多くの応援団をつけ、

県立高校としては

11年振りの甲子園全国優勝を果たした。

この話はミラー細胞のお話と合致する。

たくさんの人から応援されていると思うと、

なおのことパワーが出る。

それがまた佐賀北を後ろから押し上げていきました。

いわば、プラスの相乗効果だった。

人との関係は、

まず相手を尊敬し受け入れることから始まる。


【涙の数だけ大きくなれる/木下晴弘著より】

span style="font-size: x-large;">大田ホーマーズOB
新山直樹さん
秋から鍛える バッティング〜個のレベルアップのための練習法〜
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高校生のお手本バッティング 新山直樹(下妻二)から学ぶ!
最近のNPBの一流選手が多く口にするのが「タイミング」。このタイミングの取り方で・・・
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